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「川と海から」-053.

埋め地八ケ町周辺と横浜旧市内の「町名」

 

 堀割川掘削が生んだ土砂で吉田新田一つ目の沼が埋められ「埋め地八ケ町」が誕生したがすべて縁起のよい名前がつけられた。

 開港期以降の横浜中心地はどこでも町や住民の幸せを願って「佳字」が当てられた。今はない町名が多いがここに記録しておく。(傍線は現在でも

 町名・警察・バス停留所・橋などに残っているもの)。磯子区の海岸埋立地に生まれたいくつかの町はすべて旧町名(磯子、森、中原、杉田)のあたまに「新」をかぶせただけの安直な命名である。「のりそだ町」「いさりび町」「しおざい町」など考えればこの地の歴史や風物を偲ばせる名がいくらでも思いつくが、たまたまここが工場地帯であって住民がおらず単なる「記号」としての意識しかなく、行政・区民双方の文化・歴史への無関心さがあったためであろう。福岡市海岸の戦後埋立地は「那の津*丁目」とあるが市の文化性をうかがわせるものがある。

 めでたい名(謡曲・和歌・故事その他)

寿町、弥生町、弁天町、末吉町、若葉町、曙町、萬代町、蓬莱町、千歳町、吉浜町、不老町、老松町、日之出町、若松町、小寳町、花園町、雲井町、浦舟町、高砂町、翁町、入船町、真砂町、尾上町、羽衣町、扇町、松影町、吉野町、山吹町、白妙町、高根町、初音町、小松町、松が枝町、梅が枝町、足曳町、久方町、

富貴栄達にちなむもの

黄金町、真金町、永楽町、福富町、長者町、末広町、福永町、弁財天町、賑町、

諸国の名にちなむもの

加賀町、駿河町、薩摩町、長崎町、越後町、武蔵野町、京町、大坂町、前橋町、富士山町、九州町、小田原町、函館町、尾張町、蝦夷町、豊後町、阿波町、神戸町、琵琶町、武蔵横町、上田町、浪花町、福島町、三春町

 

 

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