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「川と海から」-043.久良岐橋・池下橋

 

 

 堀割川が中村川に出会う地点は今はT字型だが以前の堀割川は中村と直交して吉田新田に続き新吉田川に続き、富士見川を経て大岡川と連結していた。この十字型に交錯する地点はそれぞれに道路があるので橋も複雑に配置されていたが、今は久良岐橋と池下橋とが平行して並ぶだけである。久良岐橋は「武蔵国久良岐郡」の名辛うじてとどめている建造物である点で貴重な存在である。また池下橋は今は平凡な形に架け替えられてしまったが、以前は下路式ア-チ橋として特異な景観を呈していた。

 ア-チには上部の道路を支えている「上路式」(山本町の打越橋がこれである)とア-チの下側に道路がある「下路式」の二つががあり、池下橋の地上に現れたア-チは優美なもので子供たちは「冒険」と称してア-チの曲面部を歩き渡るのを得意とした。この形式の橋がなくなったのは惜しまれる。

 

 

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