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「川と海から」-037.

共生の道を行く朝鮮半島出身者集落

 

 

 崖のノリ面がすっかり擁壁で覆われた米軍住宅の真下の100戸以上の集落が朝鮮人民共和国・大韓民国両国の人たちが分断された祖国を背負いながら共生している集落である。かつてここは絶えず崖くずれの危険があり住宅地には不適であった。戦前から横浜南部の各地(岡村・杉田・金沢他)独自の集落を形成していた朝鮮半島出身者がいつとなくここに寄り添ったのである。

 米軍住宅の安全対策のための擁壁ではあったが現在は環境改善も進み往年のような特別の外観はないが、ここに住む人たちには戦後日本人の理解を越えた苦難の歴史があった。

 米・中ソの代理戦争たる朝鮮動乱の時期には半島の親戚知人は同胞相戮という悲劇を続け、日本国内においても両者の対立抗争が甚だしかった。いまでは朝鮮総連・居留民団それぞれの事務所は異にするものの、安住の地を得て協力しながら生活しているのは同慶のいたりである。一日も早く祖国統一の日が来て二つの事務所が統合されることを祈りたい。

 

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