top of page

「川と海から」-034.小河川・こんにゃく橋

 

 

 堀割川の完成によってそれまでの八幡川に流入していた小河川は徐々に姿を消して行ったが、山際には自然の湧水による溜め池がいくつのあって八幡川流域の水田耕作の貴重な水源になっていた。堀割川が完成し沿岸道路ができ、水田が埋められて住宅や工場の用地になるにつれ溜め池や小河川は不必要になり、暗渠になりヒュ-ム管の下水となった。

 堀割川にも初期はいくつか橋が架けられていたが(例えば天神橋と中村橋のあいだの伊佐右衛門橋など)正確な位置もさだかでない。護岸の石積みをよく観察すると大小の下水口が覗いているから、下水道局のマップを参考にすれば旧水路が復元できるであろう。神奈川ドライビング・スク-ルの南側の護岸に大きなV字型の切れ込みがあり補修の痕跡がよくわかる。ここは最後まで暗渠にならず小川として残っていたのであろう。「こんにゃく橋」も辛うじて名前だけは残っているが、所在は大井製作所近辺とだけあってはっきりしない。天神参道に交差する小川があってそこに粗末な木橋がかかり、通行のたび不安定に揺れたことから来た名であろう。

bottom of page